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PMCF調査

PMCF調査又は「エンドユーザー」調査は、市販後の臨床データを収集する有効な方法です。この調査は、質問票を提供して、医療従事者と患者の両方から医療機器とその使用に関する情報を得るうえで利用することができます。

PMCF調査とはどのようなものか?

PMCF調査又は「エンドユーザー」調査は、市販後の臨床データを収集する有効な方法です。この調査は、質問票を提供して、医療従事者と患者の両方から医療機器とその使用に関する情報を得るうえで利用することができます。これらの質問項目は医療機器ごとに入念に検討する必要があります。製品の性質や対象集団によって、質問すべき内容が異なってきます。

PMCF調査は、通常の「マーケティング」調査とは異なり、臨床データを生成するためにツールです。

調査の性質は様々です。リスクの低い医療機器や確立された技術については、ユーザーのフィードバックに関するより一般的な調査を利用することができます。リスクの高いカテゴリーの製品の場合は、製造メーカーはより特定した調査活動を検討する必要があります。

一般的な調査はレトロスペクティブな設計、つまり、エンドユーザーに機器とその使用に関する情報を思い出して回答してもらう形式の調査になる傾向があります。

特定した調査は、患者レベル及び症例を特定したものにすることができます。また、単回の調査、もしくは、(プロスペクティブな)医療機器の使用についてのフォローアップ質問も含む一連の調査にすることもできます。こうした調査は、患者に直接行うことも、患者記録を用いて医療従事者を介して行うことも可能です。この種の調査活動から得られるデータは、より質の高いものとなり、通常、患者の転帰データ及び臨床適応データを通じて、審査対象の機器に関する臨床データを生成できます。

調査を設計・実施するうえで、考慮すべき点が幾つかあります:

  • どんなデータが足りないのか?
  • どのような解析方法を使うのか?その方法は妥当か?
  • 必要な同意と承認は得られているのか?
  • どれくらいのサンプル数が必要か?
  • 調査方法ーオンライン/対面式/郵送ー調査したいグループに最も適切なものは何か?

どんなときアンケート調査が良い選択肢となるか?
製造メーカーがエンドユーザー(医療従事者または患者)に直接アクセスできる場合。
アンケート調査は、機動的なツールであり、様々なユーザーグループにアプローチできる可能性があり、グループのサイズによって制限されることもありません。
アンケート調査は、費用面とスタッフのリソースの両方の面から、リソースを効率的に活用できる方法になり得ます。また、リモート環境でも行うことができますので、調査担当者が現地に出向いてデータ収集する必要もありませんし、患者にとっても新たに予約を取ったりする負担も減ります。ただし、より特定した調査、特に、ケーススタディや一連のアンケート調査などは、より多くの時間とコストがかかる可能性が高いことを留意する必要があります。同様に、対面式あるいは電話によるアンケート調査も多くのリソースが必要となります。

アンケート調査を実施するうえでの課題

エンドユーザーへのアクセスー例えば、販売代理店を使っている場合などは、アクセスは限定的であったり、制限される可能性があります。

バイアスーアンケートの構造はバイアスを最小化するうえで重要です。医療従事者の主観的な回答が出てくることに、大きな懸念があります。

未回答ーアンケート調査は、わかりやすく、簡単に回答できるものである必要があります。アンケートの設問が長すぎたり、複雑すぎたり、関連性がなかったりすると、ユーザーは途中で嫌になるかもしれません。

曖昧な焦点ーアンケート調査は、方向性が明確でなければなりません。もし、目的が多すぎると、アンケート調査の内容が明瞭でなくなり、回収したデータが偏ってしまう可能性が生じます。

GDPR(一般データ保護規則)の遵守が不可欠

倫理審査と承認が必要な場合があります。国によって要求事項が異なる場合があります。

足りないデータに対する対処方法

PMCFを見直し、足りないデータを特定します。このデータギャップを埋めるための調査目的と設問内容が一致するようにします。PMCFに必要な適切なデータを追加できるようにこの調査活動の焦点を明確に維持することが重要です。

時間の経過とともにさらに調査を実施する必要が生じるかもしれませんが、これは、PMCF計画の継続的な実施と特定したデータギャップの分析の一環として行うべきです。

MDR下の医療機器PMCF用に設計された
データ・キャプチャー・プラットフォーム

検証済みのコンプライアンス対応データプラットフォーム:当社のプラットフォームは、ISO14155:2020の要求事項およびGDRPに準拠したプラットフォームです。

完全文書化されたデータトレーサビリティ 

データ入力はすべて自動的にユーザー認識を行い、最新テクノロジーであるBlockchainによりデータソースからスポンサーまで完全に文書化したトレースが可能です。  

GDPR遵守に簡単に対応 

インフォームドコンセントとデータ保護に関するGDPRの要求事項に簡単に準拠できます。当社のデータ保護担当者が、すべてのスタディのコンプライアンスを監視します。

EU MDRでは、市販後臨床フォローアップ(PMCF)を第61条臨床評価及び附属書XIVパートA臨床評価で言及されている臨床評価を更新する継続的なプロセスと定義しています。PMCFは、医療機器の予想耐用年数を通じて安全性と性能を確認することを目的として、実 際の臨床データを積極的に収集し評価するものです

データを収集するためのPMCF活動には主に次の4つの方法があります:従来の臨床試験、レジストリ、観察研究によるデータ収集、アンケート調査。

医療機器により、各方法には、データの質とPMCFの設計、ならびにリスクとベネフィットに関して考慮すべき点がそれぞれあります。下記にウェビナーのビデオは、チームワークやPMCFにアンケート調査を利用する場合のメリットとデメリット、マーケティング調査と臨床調査および被験者調査の違い、ならびに臨床研究者の立場から考慮すべき事柄について概説しています。このケーススタディでは当社のシニア・クリニカル・プロジェクトマネジャーと眼科医が説明しています。

学習する内容

  • 学際的なチームの編成について
  • 医療機器のクラス分類に基づいた調査について
  • マーケティング調査、臨床調査、被験者調査の違いについて
  • レトロスペクティブまたはプロスペクティブなデータ収集について
  • 調査の有効性を確認するための質問について
  • 臨床研究者の観点
動画再生

演者

MARKO LUKIC, PHD, FEBO, FASRS

MARKO LUKIC, PHD, FEBO, FASRS

ECLEVAR MEDTECH社 Referent Ophthalmologyサイエンティフィックボードメンバー

Marko Lukic博士は、網膜とぶどう膜炎を専門とするコンサルタント眼科医です。Moorfields Eye Hospital NHS Foundation Trustに所属し、メディカルレチナデジタルイメージングクリニックでコンサルタント眼科医として活躍しています。ルキック博士は、ムーアフィールズ眼科病院で、2016年の臨床医学網膜フェローシップと2017年の網膜の臨床研究フェローシップの2つのフェローシップを修了しました。臨床研究フェローシップの間、Dr Lukicは15以上の臨床試験に治験責任医師として参加しました。Lukic博士は、2020年10月にICO網膜サブスペシャリスト試験に合格し、2021年11月にクロアチアのスプリット大学医学部で博士課程を修了しました。 

Lukic博士は、2022年5月より米国網膜専門医会のフェローに指定されています。 

Lukic博士の研究テーマは、糖尿病黄斑浮腫と湿性加齢黄斑変性の実測データです。彼の継続的な研究活動は、Nature Medicine、AJO、Retina、EJOなどの高ランクのジャーナルに掲載された原稿につながりました。また、高い評価を得ている眼科専門誌の査読者を務めています。ルキック博士は、ムーアフィールズ眼科病院とグーグルのディープマインドとの共同プロジェクトに参加した専門家チームの一員として、ディープラーニングプロトコルに基づいてさまざまな網膜の状態を認識する人工知能システムの開発に携わりました。ルキチ博士はザグレブ医科大学で眼科学の講義を行い、英国のロンドン大学では検眼士のための網膜医学の講師を務めています。

Lukic博士は、遠隔眼科医療を専門とするヨーロッパ有数の企業であるEuropean Medical Consultantsのオーナー兼ディレクターを務めています。また、Lukic博士は Eclevar のアドバイザリー・ボードのメンバーであり、Specsavers Nordic の外部専門家としても務めています。